「依頼が入らない」「問い合わせが無い」
士業事務所の営業用ウェブサイト(ホームページ)で反応が得られないとき、その原因は様々です。改善するためには、そのウェブサイトの訪問者の行動を段階ごとに分けて、各段階ごとに問題点を洗い出していくことが近道です。
段階を分けて検討するほど、何が問題になっているのか気づきやすくなり、また改善策の精度を上げやすくなります。
とはいえ、慣れないうちは訪問者のフローをどのように分けるか、分けた後にどのような改善策を検討すればよいかなどは、イメージしにくいかもしれません。
そこでウェブサイトの改善作業に慣れないうちは、もっとも問題が生じやすい(そしてその問題点を把握しやすい)「ウェブサイトへのアクセス数」と「訪問者の反応率」、大きく2段階に分けて検討していきましょう。
ウェブサイトへのアクセス数が少ないとき
ウェブサイトへのアクセス数があきらかに、どう見ても少ないときは、まず訪問者の増加を図る施策を検討することになります。
この際、どれくらいの規模で取り組むのか目安を誤って設定してしまうと「ウェブサイトをがんばって更新したけど意味なかった」という誤った結論に達しやすいです。
この点については、既に「士業がウェブサイトを作る前に必要な「意気込み」の目安を知る方法」で詳しく触れました。
競合する士業ウェブサイトが多数の業務では(大抵の業務では既に競合多数のはずです)、それらのウェブサイトを質・量ともに上回るものを作りあげる!という意気込みで手を入れていかないと、なかなかアクセス数の向上には繋がりません。
とはいえ、「ページを増やすことがアクセスアップに効果的らしい」「Googleの評価が良いらしい」との考えから、ページ数の増加自体が目的となってしまうと、結局は反応率の乏しいウェブサイトが育ってしまいます。
いまはページ数が多いことがイコールでサイトの評価につながるわけではなく、1つ1つのページの質(他のサイトよりも独自の情報を提供しているか、訪問者が興味を持ってそれなり時間滞在しているか、など)が重要視されるようになっています。
既に公開済みのページが数十ページあるという状態なら、まずは以前に公開したページを見直して増補をかけつつ、ページ内で相談している雰囲気を醸し出せないか、士業事務所側からの一方的な業務案内を訪問者の視点から問題解決するフローに変更できないか、調整も図ると一石二鳥です。
ウェブサイトのアクセス数のわりに反応が乏しいとき
ウェブサイトへの訪問者はそこそこ(あるいは、かなり多数)生じているものの、お問い合わせのメールや電話に繋がらないときは、ウェブサイト内で何らかの問題が生じている可能性が高いため、ページ内コンテンツの見直しを図ります。
むしろ順番的には、前述のアクセス数をむやみに増やそうとするよりも、反応率の向上から手を入れていくほうが誤った方向にウェブサイトを育ててしまう危険が少ないです。
問い合わせにくい外観上の問題はないか
ウェブサイトの反応率向上のために、まずは目で見て判断しやすい、サイトの外観上の問題からチェックしましょう。
- そのウェブサイトで使われている色は適切か
- ウェブサイトに掲載する士業さんのプロフィール写真は適切か
- ページの文章は士業の営業用ウェブサイトとして適切か
- ウェブサイトに閉塞感がないか、窓は開いているか
- ウェブサイト上に問い合わせの導線は確保されているか
ウェブサイトの雰囲気については「悩んでいる人が訪問するウェブサイトだから、分かりやすいように落ち込んでいる人の写真を使おう!」「困っている状況を表現するために暗い雰囲気にしよう!」と思われる方も意外と多いのですが(実際によく耳にする話です)、訪問者は悩み続けたいわけではなく、悩みを解決して晴れ晴れしたくてウェブ上を検索しています。
その人に対して、さらにマイナスのイメージで訴えかけるよりも、解消した後の爽やかな雰囲気を先取りするほうが、反応率向上を見込める場合がほとんどです。
また、士業さんの写真については、
- 写真が良ければそれだけで依頼してくれる人もいる
- 写真が悪ければそれだけで依頼がほとんど無くなる
それくらい大きな要素だと思って取り組むほうがよい、重要な要素です。ウェブを検索する段階では、当たり前ですがまだ士業さん自身とは会ったこともない状態です。士業さんの写真から得られる印象が、訪問者にとっての士業さんのイメージの大半を占めることになります。
だからといって、ビシッと写った綺麗な写真を使えばよいわけではありません。
信頼感・清潔感のあるポーズに少しだけ隙を作ってあげる、ほんのちょっと間が抜けた印象を加味するくらいの写真のほうが、士業さんの「相談しにくさ」を引き下げ、結果として反応率が上がることも多いです。
依頼に繋がらない訪問者ばかり呼び込んでいないか
外観の問題がほとんど無さそうであれば、ウェブサイト上に用意したコンテンツ(ページ)の内容が、依頼に繋がらない訪問者ばかりを呼び込んでいないか再確認です。
法律や制度をわかりやすく解説したページがあって、そこに訪問者が毎日数百人規模で訪れていたとしても、そのほとんどが講義内容を調べるための学生だったら……反応に繋がらないのは当然ですよね。
この問題は本当に陥りやすいので、ページ数の増加という目的ばかりに目が行って、内容の検討を失念してしまわないように十分注意してください。
たとえ1日に1,000人が訪問するウェブサイトでも、訪問者の層が士業事務所の顧客となりうる層から乖離していては、ほとんど問い合わせに繋がりません。逆にニッチな業務をピンポイントで訴求できれば、1日10アクセスなくてもコンスタントにご依頼へ繋がるケースもあります。
分かりやすく数字にして要素・段階を分けて改善
まずは以上で触れた、アクセス数のアップと既存ページの形式的・内容的な反応率の改善から検討してみてください。
もちろん、この作業を「なんとなく」で判断してしまうと、実際のサイトの状況とズレが生じる可能性が高いです。下の用紙のような簡単なものでよいので、数字で客観化しましょう。
ウェブサイト訪問者から依頼者への推移(PDFファイル)
ウェブサイトの問題点を段階・要素に分けて改善していく方法については、以下の記事も合わせてご参照ください。
営業用のウェブサイトであるにもかかわらず、アクセス数のわりに反応に乏しい状況については、「依頼に繋らない「手引き型」士業ウェブサイトの問題点と改善方法」でも詳しく紹介しています。
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