士業事務所のホームページでは、ある一つの業務を案内するページ原稿を作ったら、その原稿の業務名(または地域名)だけを別の業務(または地域名)に置き換えて、別の業務案内ページ原稿を作ると、手間や時間をかけずに多数のページを作ることができます。
一見、効率が良くベストな方法にも見えますが、Webから直接に集客を検討しようとする場合、この方法には大きなデメリットが2つあります。
類似コンテンツとして検索エンジンが評価しない可能性
まず第一のデメリットは、業務案内ページをコピーして、特定の単語だけ置き換えて新しいページを作る方法では、それぞれのページ内容が非常に似通ってしまうという点です。Google等の検索エンジンは「ページのオリジナリティ」を重視しますから、特定の単語だけが置き換えられているに過ぎないページは「この情報は既に検索結果に表示した」「似たようなページばかり表示させたくない」という判断が働き、追加したページ(または双方)が評価されない可能性が高くなります。
類似の業務案内ページをいくつ作っても、結果として表示されるのは最初に作った(またはいずれか)1つのページのみで、後のページはほとんど表示されない。
ページをいくら量産しても、各ページを検索エンジンがプラス評価してくれないため、ホームページ全体の評価も上がらない。
そういったデメリットが生じる危険があるわけです。
「ウチは同業者や他士業からの紹介で成り立っているから、ホームページには取扱業務が分かるように並んでいればそれでよい」というのならコピーページ量産による検索エンジンからの評価減の問題もそれほどデメリットとはなりませんが、Webから直接に受任を得たい、集客を図りたいという場合は、類似コンテンツは極力少なくしておきたいところです。
訪問者を個別にフォローする姿勢の欠如
以上は検索結果に表示されるかどうかの問題、言い換えれば「ホームページを訪問してもらえるかどうか」という入口部分で生じる可能性のあるデメリットですが、業務案内ページのコピー生産にはもう一つ、ホームページに訪問してもらって以降、「相談や依頼につながるかどうか」という出口部分で生じる可能性のあるデメリットもあります。
ある1つの業務案内ページを作り、その業務名や地域名だけを置換して別の業務案内ページを作った場合、新たに作った業務案内ページは、はたしてホームページ訪問者の置かれた状況や、悩んでいること、心配していることをしっかりフォローできているでしょうか。
また、業務の流れや事務所の強みなど、ご依頼後のイメージも、その業務ならではの内容になっているでしょうか。
業務案内ページをコピー・置換で量産するほど、ホームページの訪問者を個別にフォローする姿勢が希薄となり、訪問者にとって「これは私のことだ」「私の悩みを解決してくれる事務所だ」という共感や不安解消が図れないコンテンツになってしまいます。
仮に士業さんの側からすれば、結局は同じような作業を進めることになる業務であっても、訪問者の抱えている不安、陥っている状況は様々です。
そこにフォーカスせず、士業事務所の側から「こんな業務あるんでよろしく」と一方的に案内されても、それは見知らぬ人への押し売り営業と変わらないスタイルであり、Webから直接の受任を図ることは難しいです。
ページ原稿を作ることは、確かに手間や時間がかかるので面倒な作業ではあります。しかし、もっとも相談に直結しやすい、依頼までの距離が近い業務案内ページをおざなりに作ってしまえば、Webから直接かつ継続的な集客は見込めません。
「このページ、似すぎたかな?」を確認するためのツール
以上2つのデメリットが大きいので、1つの業務案内ページをコピーして、次の業務案内ページを作ることは極力避けるほうがよいでしょう。
とはいえ、業務案内ページにはそもそも、料金やご依頼の流れ、対象地域など、どうしても他の業務案内ページと類似しやすいコンテンツが複数含まれるのが通常です。
そういった類似しやすいコンテンツを含んで、全体として各ページがどれくらい似通ってしまっているか。
この辺は、Web上で公開されているチェッカーを使うことで確認できます。
使い方は、比較したいページのURLを入力するだけなので簡単です。
訪問者の状況に応じた、不安を解消するコンテンツとして改訂する
もしチェッカーで「激似」が出てしまったら、要注意。
その場合は、その業務のご依頼者をイメージして、「その依頼者はどのような状況で困っているのか」「どんなことを希望しているのか」「その状況に、士業としてどんなアプローチが可能なのか」を具体的に表現しながら、各ページを増補・改訂していくとWebから直接の集客に近づく改善を図れるはずです。
そしてこの方法は、Googleが推奨する方法とも適合します。
類似するコンテンツをできるだけ少なくする: 類似するページが多数存在する場合は、各ページに内容を追加するか、または 1 つにまとめます。たとえば、旅行サイトで 2 つの都市を別々のページで紹介しているが、ページ内の情報は同じである場合は、両方の都市を紹介する 1 つのページにまとめるか、各ページに内容を追加して、それぞれの都市に関する独自のコンテンツを含めます。
「重複コンテンツの作成を避ける」より
Web集客で大事なのは、入口となる検索エンジンがどのように考えているのかを前提とした、訪問者の不安や悩みの解消に向けた士業さんからのフォローの姿勢です。
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