士業事さんが既に公開中のウェブサイトを改善するとき、まず確認していただきたいのは、そのウェブサイトの「入口ページはどこなのか」ということです。
ウェブサイトの訪問者が、最初に訪れるページがトップページではない(ことが多い)点は、既に触れたとおりです。
ウェブサイト改善においては、大きな入口となっているページがどこなのか把握して、そこから手を入れるほうが効率的で無駄を省けます。
改善候補はアクセス解析で確認
ウェブサイト改善に関するご相談を頂く際、それがウェブサイト全体のリニューアルでない限り、多くの士業さんからは「まずはトップページだけ改善したい」か、あるいは「トップページの他に、業務案内ページだけは手を入れたい」とのご要望が出てきます。
確かにこれらのページは、士業さん自身にとって(あるいは同業者からの視線が集まる先として)サイト上でもっとも目立ちます。
しかし、これらのページを改善する前に、あるいは並行して、最低限アクセス解析の入口ページ(ランディングページ)はチェックしておくほうが効率的です。
多くの訪問者が最初に訪れている大きな入口ページが既に存在するのであれば、そのページ自体を充実させ、またトップページや業務案内ページなどへの誘導をかけることで、反応率改善への近道となるからです。
士業さんにとってサイトの顔であるページと、訪問者にとってサイトの顔であるページは違う。この認識は常に持っておくほうが、サイトの改善やリニューアルで誤った方向に進みにくくなります。
ウェブサイトを作ったらアクセス解析を設置
「アクセス解析?そういえば、まだ設置してなかったな」。もしそう思われた士業さんがいらっしゃるなら、今すぐGoogle Analyticsでいいので導入しておきましょう。
ウェブサイトの更新や改修にあたって、客観的なデータを参照することは大事です。
が、アクセス解析まで確認するのがどうも面倒というのであれば、極端な話、導入だけして放置するのでも構いません。それでも何もしないよりはマシです。
導入だけはしておかないと、いざ改善を図ろうとするとき、客観的なデータが何もないため、思い込みだけで作業を進めざるをえなくなってしまいます。
行動フローでランディングページを確認
あまり細かなデータを確認していくと、逆に何を直せばよいのか分らなくなってしまうことも考えられます。そこで今回は、割り切って最低限のデータ確認で済ませましょう。
確認していただきたいのは、Google Analyticsの「行動」にある「行動フロー」です。
(あるいは「行動」、「サイトコンテンツ」、「ランディングページ」でも構いません。「ランディングページ」を確認するのであれば、冒頭でリンクを張った「入口は別にある!サイト活性化のために本当の入口ページを充実させよう」も合わせて参照ください)
ここでランディングページ(着陸ページ、つまり最初に訪問者が訪れたページ)を確認して、アクセスの多いページは改善を図るようにします。
比較的分りやすい例を画像で紹介しますが、この例では2つ目の258アクセスある「/」(スラッシュ)のトップページより、394アクセスある某ページのほうが、かなりの訪問者が最初に訪れていることが確認いただけると思います。
このように、トップページより訪問者の多いページの数が少ないときは、それらすべてのページを改善候補に組み入れてしまいましょう。
該当ページの改善方法は主に2通り
士業さんの業務特化型ページでは、トップページよりアクセスを集めているのが業務案内ページであることは、かなり稀です。この該当ページにはおそらく、知識提供型、情報発信型ページがきているのではないでしょうか。
これらの該当ページを改善するときは、主に次のいずれかのパターンが修正しやすくおすすめです。
- よりコンテンツを充実させ、流れをよくしながら主要ページとの連携を図る
- 知識や情報を提供しつつ、後半を業務案内に組み替える
コンテンツの充実と主要ページへの連携
まず、ページ内で取り扱っているコンテンツが、どうにも業務の案内とは結び付きにくいという場合です。このようなときは、全体的な内容や説明する順番等を見直して、図表などを配置しながら、訪問者が理解しやすいように改善を図ります。
このページから多くの訪問者が訪れているということは、いくらトップページの見栄えをよくしていたとしても、このページを一見したとき「分りやすそう」「自分が探している情報がありそう」と思ってもらえなければ、すぐその場で立ち去られてしまうからです。
そして合わせて、最後まで目を通してくれた訪問者がそこで直帰することを下げるために、文章末尾等から関連する知識提供型ページへのリンクを張ったり、トップページ・主要ページ(業務案内ページ)への誘導を図れないかも検討します。
ただし、あまり露骨にやりすぎると逆に引かれて直帰率が上がってしまいかねませんので、程度に気を付けてください。
また合わせて、士業さんと相談している雰囲気をそのページから感じ取ってもらえるように、ページの接客度を高めると競合との差別化でも有利です。
知識提供型をとりつつ、後半を業務案内化する
次に、ページ内で取り扱っている内容が実は業務につなげることが可能であり、かつ、このページへの訪問者がかなりの多数に上っているという場合です。そんなときは、いっそのこと知識提供型ページだった内容を、業務案内型ページに大きく振ってしてしまうのも手です。
とはいっても、知識提供型ページ全体を業務案内型ページに変えてしまうと、内容がほとんど変わってしまうことになり、そのページへのアクセスが途絶える要因ともなりかねません。
そこで、前半はそれまで同様に知識提供(情報発信)を行いながら(この際、より分りやすいようにコンテンツを改善する)、途中から「このようなケースにおいても、当事務所では多くの実績がございます」といった流れを使って、業務案内の文章につなげてしまいます。
このような修正を図ることで、単に簡単な知識提供型ページだけを見て直帰していた訪問者の中から、ページで案内している業務について「自分のことかもしれない」と思い、電話やメールで反応してくれる人が現れるようになります。
発生しているアクセスを有効活用する
「アクセス数より反応率」とも重複しますが、既に発生しているアクセスは、有効活用しなければ宝の持ち腐れです。
ウェブサイトを改善する場面においても、まだ発生していないアクセスばかりやみくもに追うのではなく、最初にアクセスされるページ(ランディングページ)を重視しながら、既に発生しているアクセスを活かす方向で検討してみてください。
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