士業事務所でウェブサイト(ホームページ)を運用していくとき、常に意識しておくと反応率が大幅に変わってくるものとして、訪問者に対する「徹底的な不安の解消」があります。
そもそも、士業さんの仕事が誰かの不安を払拭したり面倒を軽減したりすることなので、まずはその前段階として、ウェブで不安を解消してあげるのは当たり前の流れともいえます。
ウェブを事務所の営業ツールと位置づけるのであれば、公開当初からしばらくの間「徹底的な不安解消」のサイクルを回すことに絞った運営を行うべき、と断言してしまいたいくらいです。
些細な不安を徹底的にウェブサイトで解消してもらう
通常、訪問者の方が抱く大きな不安はウェブサイト運営側の士業さんも想像しやすいため、既にコンテンツ内で何らかのフォローをとっていることも多いでしょう。従って、この部分では競合ウェブサイトとの大きな差別化が見込めません。
そこで、士業事務所における日々のサイト運営で必要になってくるのが「些細な不安」に対するフォローの徹底的な積み重ねです。
電話受付や実際の相談の際、会話の端に上がってくる、ほんの些細な不安や疑問。これらは士業さんからすると「よくあること」「些細なこと」かもしれませんが、相談者の方からすれば積み重なって結構大きな不安・疑問になっているものです。
その小さな不安や疑問にどれだけ気づいてあげるられるか、そしてウェブサイト上で先回りして解消してあげられるか。それによって、ウェブサイト全体の信頼性や安心感が大きく変わってきます。
不安の事前解消のみで20倍以上の違いに
「ウェブサイトを公開した。訪問者はいる。記事を読んでくれてもいる。でも反応がない……」
そんな状況では、ウェブサイト上でうまく不安の解消がなされていないことが要因の一つとして考えられます。
実際、弊社で運営に携わらせていただいたウェブサイトの中には、徹底した不安解消のみに絞って対策を数ヶ月間継続した結果、受注率が20倍以上も向上した事例もあります。
ひとつひとつは小さな不安や悩みで、それをウェブサイトでフォローする作業も小さな作業の積み重ねとなりますが、気づいたとき必ず行うというくらい徹底・継続していくと、一朝一夕には違いが感じられずとも、中期的・長期的には相当大きな効果に結実する可能性があるということです。
業務のヒアリングと営業のヒアリングは一体化させる
ところで士業さんも自営業ですから、本来的な業務以外に営業活動を行わないことには仕事の依頼が無く、事務所の維持ができません。だからといって、本来業務は本来業務、営業は営業と、それぞれを綺麗に線引きができるものでもありません。
相談者の不安や疑問は、電話受付の段階や、相談や打ち合わせの段階で現れてくるものです。
従って、本来業務の相談・打ち合わせの際、どのようなところで小さな不安や疑問が生じているのか、ヒアリングシートにメモを取っておくと、ウェブサイトへの反映が容易になります。むしろこれなくして、効果的かつ着実なウェブの改善は難しいのではないでしょうか。
ウェブサイト改善型の電話受付記録
たとえば、電話相談はその後実際の相談や打ち合わせに繋がりやすいものなので、十中八九、メモや記録として会話の内容を書き留めているはずです。
ところが、この電話受付記録に不安要素の項目を設けて、会話中の些細な不安や疑問まで即座に記入しているという士業さんは、ほとんどいらっしゃいません。
ということで、まずはウェブ営業にも活用できる、ウェブサイト改善型の電話受付記録を準備しましょう。
簡単なものですが、この記事にもWordファイルで例をアップしておきます。
電話受付記録(Word形式)
- 「○○だけど大丈夫ですか?」
- 「○○には対応していただけるのでしょうか」
- 「○○だと思って心配していたんですが、勘違いだったんですね」
など、ちょっとした質問・回答の会話がなされたとき、書き込む欄が元から用意されているかどうかは、その後にウェブ改善の情報として活用できるかどうかの大きな分岐点になります。
電話の後に思い出して不安要素を検討しようとしても、そのときにはもう業務自体の話題が頭の中を占めていますから、電話を切った後ではまず無理です。電話の記録と一緒に書き留めてしまいましょう。
ちなみに上のWordファイルには、「安心要素」という欄も設けてあります。自分の長所、事務所の特徴というのは、なかなか客観的に把握しにくいものです。
もし電話相談の際、「○○が安心だったので、そちらにお電話しました」と言われたのなら、それは超貴重な情報!長所を伸ばすためにもメモして様々な媒体での活用を要検討です!
典型的な不安パターンもウェブサイト上でフォローする
電話にしろ対面にしろ、相談の際にヒアリングした小さな不安や疑問は、ウェブサイトにことごとく反映させてフォローします。
キャッチコピーなど目立つ箇所でフォローしたほうがよいもの、電話番号やお問い合わせフォームの直前でフォローしたほうがよいもの、よくある質問コーナーを作ってフォローしたほうがよいもの、新たに記事を作ってしっかり説明を加えたほうがよいものなど、不安や疑問の内容によって、それをウェブサイト上のどこでフォローすべきなのかは変わります。
「私でも大丈夫?」「他の人も使ってる?」
なお、この記事ではウェブ訪問時と電話・直接の相談時に生じる些細な不安に絞って書きましたが、あなたの事務所のウェブサイトで「私でも大丈夫?」というサービスの対象範囲に入っているか判断に迷うことで生じる不安と、「他の人も使ってる?」という自分だけではないかという不安、この2大不安要素のフォローが訪問者に対してなされていますか?
もし2大不安要素の解消を意識的に行ったことがなければ、これらはウェブからの反応を得るための大前提になるため、即対応したほうがよいでしょう。
後者については、お客さまの声などで解消するのが一般的です。開業当初でそれが難しいときは、前者の解消の比重を高めて工夫していきましょう。
徹底的に、ことごとく先回りして不安を解消する
さて最後に。このエントリーのタイトルにも入れていますが、これらの不安解消は「徹底的に」「ことごとく」「できる限り先回りして」行うことが大事なので、重ねて述べておきます。
そのときたまたま思い出したので、2つ3つ対処してみました、という程度では士業事務所のウェブサイト全体での安心感はなかなか向上しません。
日々の相談や打ち合わせで新たな不安要素を耳にしたその都度、ウェブサイトに反映させて効果をチェックして、そして修正する。
大事なのはこの繰り返しの改善を、延々と継続して行うことです。
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