あなたの事務所のウェブサイトは、アクセス解析上でスマートフォンを利用した訪問者の割合がどれくらいを占めているでしょうか。
もし半数近く、あるいはすでに半数を超えてスマートフォンからの訪問者が多いにもかかわらず、ウェブサイトがスマートフォンに対応していないなら……。場合によっては、結構な数の依頼を取り逃しているかもしれません。
(追記)この記事を最初に公開してから既に5年以上が経過。スマートフォンで訪問する人の割合は、ますます増えています。
スマートフォン対応は訪問者の特性に合わせて2つの型から検討
士業事務所ウェブサイトのスマートフォン対応といっても、そのウェブサイトの対象者がどのような特性を持っているかによって、対策が異なってきます。一般的には、以下で触れる2つの型、いずれかでの対応を検討することになります。
訪問者の特性をあまり考えずにウェブサイトのスマートフォン化を実現しても、かけたコストや手間のわりには、反応率がそれほど伸びない結果につながってしまう可能性もあります。
1.現場や移動中に素早く情報確認したい層向けの「簡潔型」
あなたの事務所の業務特化型ウェブサイトの訪問者が、現場に出ていることが多かったり、移動していることが多いなど「多忙な人」という特性を持つことが多いなら。
その訪問者がウェブサイトを訪れる際の行動は、移動時間や待ち時間など、ちょっと空いた短い時間に情報収集や競合ウェブサイトとの比較を行って、気に入ったウェブサイトに対して問い合わせ流れになります。
このような行動パターンでは、スマートフォン用のウェブサイトはパソコン版とは別の作りで、より簡易的に要約した内容で設置・公開する(JavaScript等で振り分ける)「簡潔型」「ダイジェスト型」のほうが、反応率の向上につながることが多いです。
- 短時間に
- 業務の要点や流れが把握しやすく
- 料金概要もつかめる
情報量よりも上記3点をしっかり備えることが、多忙な中で必要最低限の情報を確認したい訪問者にはメリットが大きいからです。
逆に言えば、すべての情報を親切丁寧に文章で説明しているウェブサイトや、詳細が各ページごとに分かれていてトップページだけ見ても概要がつかめないウェブサイトでは、このタイプの訪問者には目を通す時間が割けず検討対象から除外されている可能性があります。
リスティング広告との組み合わせ
この「簡潔型」「ダイジェスト型」の効果が高い訪問者層は、業務依頼までの決断時間が短く、場合によっては訪問直後に即決というケースも考えられます。
そのため、即効性の強い集客手段であるリスティング広告(検索結果に表示されるテキスト形式の広告)と組み合わせての運用は、検討してみる価値が大いにあるでしょう。
前提知識が豊富な訪問者が多い業務は例外
ただし、例外的に「多忙であってもウェブサイト上の情報量を重視する訪問者」が多数を占める業務もあります。これはたとえば、訪問者の側に業務の前提となる知識が豊富にあるようなケースです。
このケースで訪問者は、ウェブサイトの運営者が自分以上に知識を持つ「専門家」なのか、用意されたコンテンツを十分確認し、また競合するウェブサイト同士の比較対照もシビアに行う傾向にあります。
そのため通常、簡潔型ではなく次に説明する充実型でスマホ対応を図るほうが、対策としては適しています。
2.悩む時間のある層、知識の多い層向けの「充実型」
あなたの事務所のウェブサイト訪問者が、直接に相談することに躊躇する悩みや不安を抱えていたり、入念な情報収集をしてからアクションを起こす層であるときは、パソコンとほぼ同等の情報量をそのままスマートフォン向けに自動対応してくれる「充実型」で対応するほうが、反応率の向上が見込めます。
また前述のように、訪問者の側に業務に関する一定以上の知識があるときも、情報をしっかり提供できる「充実型」が効果的なことが多いです。
少し技術的な話題に入ってしまいますが、充実型のスマートフォン対応は、
- パソコンと同一の情報をスマホだけ別のテンプレートで表示させる方法
- レスポンシブデザインを利用して複数端末に対応させる方法
以上いずれかを採用して実現することが多いです。
ただし、単に提供する情報量が多いだけの手引き的な作りでは、依頼につながりません。その点には注意してください。
ボタンひとつで電話がかけられることを活かす
どちらの型でスマホ対応するにしても、そのもっとも大きなメリットは、ウェブサイトがお問い合わせボタンを押しさえすれば電話で連絡をしてもらえるアクセスの容易さを備えることです。
そこで、できるだけ最初の画面内に入る位置に、電話ボタンを配置するよう心がけます。
またスマートフォンでのページ閲覧は、どうしても縦方向へ、下へ下へと読み進めるかたちになります。そのため、長い縦移動が終わった直後、つまり文末にも電話ボタンを配置して、事務所への電話問い合わせを容易にするような構造にします。
※画面一番下に必ず電話ボタンが表示される作りの、追尾型ボタンを検討する場合もあります。ただし、追尾型ボタンは常に画面内に表示されていることによって、電話番号ボタンが視界から消えてしまうこともあるので過信は禁物です。
アクションが容易だからこそ、そのためのフォローが大切
そして、ボタン一つで容易に電話がかけられるからこそ、パソコン版より注意しなければならないのが、電話問い合わせに向けてのフォローコンテンツです。
電話ボタンは、ただ設置すればよいというものでもありません。電話ボタン自体や、その上下などわかりやすい位置に、訪問者の不安解消・安心提供に役立つコピー文を配置することによって、ボタンを押すことに対する抵抗をできるだけ下げてあげるようにしてください。
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