自ら開拓した独自の業務でないかぎり、士業さんの業務用ウェブサイト(ホームページ)を制作・公開すれば通常、そこには多くの競合事務所が既にひしめいています。
そこで「何らかの差別化を図って、競合ではなく自分のウェブサイトへ訪問してもらおう!」と改善を図ることになるわけですが。残念ながら、ウェブサイトに訪問する前の段階で、既にあなたの事務所のウェブサイトが競合事務所に負けていた、勝敗は決した後だった・・・なんて可能性もありえます。
ということで、今回はウェブサイトの表示速度とレンタルサーバーの処理能力について触れたいと思います。
多忙な客層を対象とするウェブサイトほど、表示速度にこだわるべき
なにか悩み事や調べ事があるとき、パソコンやスマートフォンを使って検索サイトで語句を入力し、表示された検索結果からいくつかのウェブサイトを開いて、「ここかな」と思えるウェブサイトの情報を閲覧する。この行動パターンは既に日常といってもよいくらい生活に浸透しました。
しかしその中で、検索結果に表示されたリンクをクリックしても、中にはなかなか画面が表示されず真っ白のままであったり、表示されたもののウェブサイト内を移動するたびにぐるぐると表示が回って画像や文章の表示を待たされたりというウェブサイトに行き当たることもありますよね。
そんなとき、重いウェブサイトをサッと閉じて、検索結果から別のサイトのリンクをすぐクリックして移動した先で情報を収集するという経験をした方も多いのではないでしょうか。
レンタルサーバーの処理速度に気を配る
ウェブサイトの表示が遅くなってしてしまう要因はいくつか考えられますが、その中で大きなウエイトを占めるのは、レンタルサーバーの処理能力です。
初めてウェブサイトを公開するとき、もしかするとレンタルサーバーを借りるにあたっては「どうして月額料金の安いところと高いところで、こんなに差が大きいのだろう?」と疑問に思われたかもしれません。この月額料金の差は、実はそのままレンタルサーバーの処理能力の違いとして現れてくることが多いです。
※ただし、これが絶対とは言えないのがレンタルサーバー選びの難しいところです。「月額料金が高いレンタルサーバーだから、処理能力も高い。」とは言い切れませんが、「月額料金が高いレンタルサーバーは、処理能力も高いことが多い」とは言えます。
※月額料金の安いレンタルサーバーというのは、ひとつのサーバー(建物)に数百人がひしめき合って使っているイメージです。そのため、一人一人に割り当てられる処理能力(部屋)が小さく、ちょっとしたことでも表示されなくなってしまいがちなのです。
リスティング広告を活用する場合はより重要!
ウェブサイトを公開した後、リスティング広告(検索結果に表示される文字の広告)を活用するなら、レンタルサーバーの処理能力はより重要になってきます。
なぜなら、リスティング広告には
- クリック数に応じて課金される
- 急ぎ客の比率が高い(士業のウェブサイトでは)
という特徴があるからです。
クリックされると費用が発生する、にもかかわらず、ウェブサイトがなかなか表示されずに真っ白画面がしばらく続く。
そんな状態では、クリック課金だけされた後、訪問者はウェブサイトを閲覧する前に帰ってしまいますから(つまり正確には「訪問者」にすらなっていないわけですが)余計な広告費が日常的に発生することになります。
また、リスティング広告は検索結果の上位に表示させる仕組みですから、客層としてはより急ぎ客が多く含まれるようになります。そのため、ウェブサイト非表示による切り捨てまでの判断は、かなりシビアに行われる可能性が高いです。
レンタルサーバー代に対する意識の変換
にもかかわらず、リスティング広告にはそれなりの費用を割り当てているのに、レンタルサーバー代はとにかく安く、なんなら無料のところを利用してでも月額料金を下げるべし!との判断をされている士業事務所さんが、思った以上に多いです。
月の固定費をできる限り安く、という意識はよくわかりますが、レンタルサーバーについては「仕方なくかかる料金」と消極的に捉えてしまってもよいものでしょうか。
せっかくなので、ここでその考え方を、ちょっとだけ変えてみるのはどうでしょう。
レンタルサーバーの料金は「攻めの費用」
既に触れたように、レンタルサーバーの処理能力はウェブサイトが表示される前段階で効果を発揮する面があります。ということは、レンタルサーバーの月額料金は仕方なく発生する固定費ではなく、営業として外部に働きかける面も持ち合わせている「攻めの費用」というイメージでも捉えることができます。
そうであるなら、せっかくリスティング広告(あるいは、SEOを重視した自然検索の上位表示)という攻めの営業を展開しているにもかかわらず、それを横でしっかりサポートするはずのレンタルサーバーには、何の気もかけずに費用も割り振らないという判断は、取りにくいのではないでしょうか。
多数の競合から一歩でも抜け出るため
もし競合する他の士業事務所のウェブサイトを調査・確認するとき、あるいは日常的に自分のウェブサイトを更新・閲覧するとき、自分のウェブサイトが他と比較して表示まで時間がかかっていたり、待たされる機会が多いと思った経験が既にあるのなら。
営業用ウェブサイトの訪問者は、あなたほどウェブサイト表示までの空白時間に耐えられない可能性が高いので、閲覧前に帰ってしまっていることでしょう。結果、依頼に至るはずだった案件を多く取り逃していることだって十分考えられます。
数百円、数千円の費用を削減することによって、数万円、数十万円、場合によっては数百万円の可能性を失っているかも!?
単に月額料金が安いからという理由だけで、ウェブサイトを立ち上げる際あまり検討せずレンタルサーバーを選択・運用してきた事務所さんは、そのレンタルサーバーがあなたの事務所のウェブ営業ツールとして十分に働いてくれているか、再考してみることをおすすめします。
関連性の高い記事
IWAMOTO
最新記事 by IWAMOTO (全て見る)
- 2024年G. W.期間中の休業日について - 2024年4月26日
- 【制作事例】東京都世田谷区の法律事務所様(総合サイト) - 2023年11月13日
- 【制作事例】宮城県仙台市の税理士法人様(総合サイト) - 2023年11月13日