複数の資格者で運営する士業事務所さんや、スタッフさんを複数人雇用する士業事務所さんにおいては、誰か1人をウェブサイト(ホームページ)の担当者として、その人に更新や運用を任せるというケースも多いです。
ウェブサイトの更新や運用を担当制にすると、士業事務所にはどのようなメリット・デメリットが考えられるでしょうか。
士業事務所にウェブサイト担当者を配置するメリット
事務所内でウェブサイトの担当を決めるメリットは、まず内製化によるコスト削減です。
何らかの更新や変更があるたび、外部のウェブサイト制作業者等に業務を発注しなくてもよいため、ウェブサイト自体を維持・更新するためのコストを抑制することができます。
また、事務所内にウェブサイトの運用情報やノウハウを蓄積できるため、より士業事務所にマッチした戦略を練り、次の一手を打つなどのアクションが起こしやすくなるメリットもあります。
士業事務所にウェブサイト担当者を配置するデメリット
では逆に、ウェブサイトの担当を決めることで生じるデメリットは、どのようなものが考えられるでしょうか。
実際の運営上、生じやすいデメリットには、たとえば以下のようなものがあります。
担当者の実務とウェブサイトとの関係
まず、ウェブサイトを担当する士業(またはスタッフ)さんが、本来業務である実務に時間を割かなければならないことによる、ウェブサイト運用時間の捻出不足、あるいはスタッフ間に生じる不公平が考えられます。
日常業務が多忙な中、単にパソコンに一番詳しいからとか、一番若いからという安易な理由でウェブサイトの担当者に指名されたスタッフは、ウェブサイトの運用に割く時間を残業や休日出勤というかたちで捻出せざるを得なくなりがちです。
ところが通常、事務所経営者は残業や休日出勤をしてまでウェブサイトの運用時間に充てることは想定していません。なぜなら、コストをかけずウェブサイトを運用できるよう内製化しようと試みているからです。
その結果、担当者のみが通常業務時間内でウェブサイトの運用まで行わなければならなくなり、サービス残業的な状況に陥りやすく、負担感や不公平感を抱いてしまうことになります。
担当者がウェブサイトの運用に興味があるならまだよいのですが、前述のように「パソコンに詳しいから」とか「若いから」という理由だけで指名されたとしたら、そもそもやる気がない状態からのスタートです。
場合によっては、士業事務所本来の仕事に追われ、ウェブに関する作業は何も進まない状況に陥る可能性も。
マニュアルの整備と担当者の引き継ぎ
次に、担当スタッフを配置するメリットで挙げた事務所内部への運用ノウハウの蓄積等ですが、これはマニュアルや資料として誰が見てもわかるようにまとめることを前提とするため、思った以上に時間がかかります。
また担当制度を採用するということは、その担当者さんが何らかの理由で退職してしまう事態に備える意味でも、マニュアルや資料の充実が欠かせません。
近年はウェブサイトやアクセス解析ツールだけでなく、FacebookページやTwitter等のソーシャルなサービスを含めて、様々な種類のユーザーIDやログイン情報を控えておくことが求められますから、この作業にも意外と手間を取られることになります。
士業の事務所にウェブサイト担当者を置くなら
上記をまとめると、担当スタッフ制による内製化、事務所内でのウェブサイト運用のノウハウ蓄積というメリットを享受するためには、
- 本来の業務以外にウェブサイトを運用・管理する時間を割り当てられるか
- ウェブサイトの運用に興味とやる気のあるスタッフがいるか
- マニュアルや資料の整備に時間と手間を割くことができるか
通常、上のような環境の整備を要します。従って、実務に携わるスタッフさんの中から担当者を指名する場合、コスト削減というメリットはなかなか享受することが難しいです。
そしてこれらを事務所の代表者または事務所内で時間割当やコストの決裁権のある人が認識し、担当した1人のスタッフのみすべて負担を負わないよう、フォローしてあげる必要もあるでしょう。
たとえば定時の打ち合わせの際、できる範囲で情報や進捗状況を共有し、スタッフさん全員がウェブサイトを活用するという意識を持てるよう、事務所内での調整が求められることになります。
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