あるタイミングで即時に伝えたい情報や、ある季節に向かって発信したい情報など、士業事務所でウェブサイト(ホームページ)訪問者に対してタイムリーな情報発信を行うときは、事前の準備が欠かせません。
採用情報と検索結果反映までのタイムラグ
近年、ウェブサイトに記事を追加した後、それが検索結果に表示されるようになるまでのタイムラグは、以前と比較してかなり短いものとなってきています。
しかし、効果的な検索語句で訪問してもらいたいのであれば、かなり前から準備して検索結果への浸透期間を設けておかなければ、うまく機能しないこともまだまだ多いです。
スタッフの採用情報
とてもよくあるご相談として「業務拡大でスタッフが急遽追加で必要になったので、ウェブサイトに求人欄を設けて対応したい」というものがあります。セミナーや講演会の告知なども同様です。
更新頻度が高く、同業者の方がよく訪問されているブログであれば、このような事態でもそれなりの反応があるかもしれません。
ですが、パンフレット代わりに設置している事務所ウェブサイトにおいては、求人欄を急遽設けて告知を図っても、その新設ページを訪れる人がほとんどいないため、効果は期待できません。
もしあなたの事務所のウェブサイトを求人にも活用する可能性があるなら、実際の求人を行う前から採用情報ページを作って、そのページに採用条件や連絡先などを告知した上で、現在は求人を止めている状態であることのみを注意書きして先行公開しておくほうがよいでしょう。
つまり求人コーナーだけでも早めに、ウェブサイトに用意してウェブ上に浸透させておくということになります。
これであれば、採用情報ページ自体は既に検索結果へ反映された状態(スタンバイ状態で待機)となりやすいため、急遽追加したページと比べれば採用情報への反応は得やすくなります。
ある時期に見込まれる業務に対応するための情報
法律や制度の変更が生じたことによって、あるタイミングで業務の需要が増えるという場合も、早めにそれに対応したコンテンツの準備が効果的です。
たとえば司法書士さんであれば、役員の任期を10年にした会社の任期切れが迫っており、各会社で重任登記の需要が見込まれるというような場合です。
このようなとき、10年の任期がそろそろ迫ってきましたよというタイミングでウェブサイトにページを作っても、検索結果への浸透が弱く、また競合事務所もコンテンツを用意し始めるためウェブからの反応はあまり得られません。
10年の任期切れ需要を狙うのであれば、1年以上前からその業務に関するコンテンツをいくつも拡充して厚みを増やしておき、タイミングにしっかり備えておくと効果が期待できます。
同様に、たとえば税理士さんであれば、毎年の決算を契機として顧問契約の締結を図る業務展開も考えられます。
これも、多くの会社の決算期である3月前後を狙ってウェブサイト上にコンテンツを用意しても、その年の決算には間に合わずに機能するのは翌年から、ということになってしまいます。(もっとも、決算など毎年発生する定型業務は競合が非常に多いので、うまく狙わないと検索結果の海に消える可能性も高いですが)
法律や制度の改正予定があれば、早めに効果的なコンテンツを組む
以上2つはあくまで一例として、イメージしやすいように取り上げたものですが、法律や制度が改正され何らかの業務需要が見込まれる状況に至ったときは、早め早めに業務を受任できるかたちでウェブサイト上にコンテンツを拡充していくことが大事です。
早く、しっかりと、業務を受任する前提で情報を発信できていれば、競合ウェブサイトとの検索結果浸透度による差別化に繋がります。
※業務受任前提というのは、法律改正によりこんなことで困る、具体的にはこんな事態に陥ってしまう、当事務所ならその問題にこのような実績・手段で対処可能、という流れをしっかり作って業務を依頼してもらうメリットを提示することです。
ほとんどの士業事務所さんは、その業務が受任できる事態に至って以降に業務を見据えたコンテンツを用意することが多いです。また、たとえそれより早いタイミングで情報発信に取り組む事務所さんでも、多くの場合は改正情報をブログで紹介するのみという対応で終わっていることがほとんどです。
そのため、法律・制度が施行される以前から受任を見据えてウェブサイトにしっかりとコンテンツを用意できれば、それだけで十分な差別化として機能することも多いのです。
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