士業事務所でホームページ(ウェブサイト)を公開して、そこからの受任を考えるときにもっとも大事なことは何でしょうか。
ホームページが公開段階まで至ると、訪問者の反応がより増えるよう、最終的には依頼につながるよう、いろいろな施策を行いますよね。
- 「これからはスマホ対応(モバイルフレンドリー)が必須らしい」
- 「いや、コンテンツマーケティングが大事だ」
- 「まだまだ、SEOで上位表示が先決では」
- 「それよりまずはデザインを洗練させよう」
- 「その前に、リスティング広告やリマケに取り組むべき」
- 「Google Analyticsなどアクセス解析の検討が必須」
- 「サイトの表示速度が大事らしい」
などなど。しかし、たとえこれらの施策を講じても、一向にホームページから依頼に繋がらなかったり、依頼が微々たるものに限られてしまったりするケースも残念ながら多々あります。
ホームページに手間をかけても反応が乏しい原因
なぜ、あれこれと手間暇かけた士業さんのホームページでも、反応の乏しいまま終わってしまうことがあるのでしょうか。
原因としてまず疑ってみたほうがよいのは、
「ホームページに取り組む際の基本的な考え方、コンテンツに落とし込んでいく思考の流れが「逆」になっている」
可能性です。
士業事務所の都合で組み上げられるホームページ
士業さんがホームページを作り上げる過程においては、
「いまウチの事務所で提供できるサービスはこれとこれか、じゃあこの業務をメインで打ち出して、こっちは価格競争になっているから少し安価に。あ、ついでに夜は21時まで営業にしとこうか、それくらいならがんばれる」
など、たいていの場合はホームページの構造から内容から、士業さんの側、事務所側の都合で進めていくと思います。
自分の立場で、自分の状況と照らし合わせてホームページを作るのが、もっとも簡単ですから、これは仕方ないといえば仕方ないことです。
ところが、ありがちなこの流れでホームページを作り始めた時点で、すでに反応の乏しいホームページへと舵を切っている可能性が非常に高いです。
士業さんの側から、言いたいことや伝えたいことを取捨選択し、それをホームページ上でコンテンツ化しても、そのままではホームページ訪問者の悩みや要望との間に大きくズレが生じるため、どうしても反応率が乏しくなってしまいがちなのです。
最悪の場合、訪問者がホームページに訪れてすぐ、ブラウザのタブを閉じることにもつながりかねません。
士業ホームページの訪問者が依頼者に変わるきっかけ
士業ホームページの訪問者が士業事務所に業務をお願いする人、つまり依頼者に変わるのは、ホームページ上のコンテンツを通して
- いま生じている問題を解決できそう
- 不安や悩みを解消できそう
- 希望を実現できそう
だと感じたとき、考えが転換したときです。その結果として「この事務所に頼みたい」という思いが生じることになります。
問題を解決できそうか、不安や悩みを解消できそうか、希望を実現できそうか、ホームページ上のコンテンツからそれが判断できなければ、訪問者は依頼者へ変わりません。
士業さんの取り扱う業務というのは、ある人の人生上、大きな問題であることがほとんどでしょう。そのぶん、他の業種と比較しても、その人の具体的な問題に目を向けられるか、同じ立場から物事を見ることができるかが問われることになります。
士業ホームページを構築・運用する際の思考の流れ
そこで、士業事務所でホームページを構築・運用する際の思考の流れも、この訪問者(つまり依頼者になる可能性のある人)が、何を困っているのか、何をしたいのか、こちらにスタート地点を持ってくるようにできる限り転換しなければなりません。
このとき気を付けたいのは、士業さんの取り扱う業務は通常、依頼者となる人が困っていること、希望していること自体ではないということです。
士業さんの業務は、依頼者さんの困っていることを解消するため、希望していることを実現するための前提としてクリアすべき課題のレベルなので、ここは意識して取り組む必要があります。
訪問者の立場から、逆の思考の流れをどれだけ意識して習慣化できるか。ホームページ内でこだわることができるか、実践する頻度を上げられるか。
実際、訪問者の立場を最初から意識してホームページ内外の施策を実施している士業事務所さんと、そうじゃない士業事務所さんとでは、ホームページの運営を軌道に乗せ、効果的に活用できるようになるまでの日数にかなりの差がでます。
仕組みや技術を使って、何をホームページで発信するのか
新しい仕組みや技術を使うにしても、前提の考え方が間違っていると、その仕組みや技術を効果的に活用することができません。何のためにその技術を使うのかがわからず、ブレも大きくなってしまいます。
ホームページ(ウェブ活用)の大きな流れを考えるときも、ホームページに配置する細かな部品1つ1つを考えるときも、幹となる考え方に立ち返って問題がないか検討する必要があります。
思考の流れを逆にできれば、士業さんの都合でカテゴライズされている業務も、実は訪問者の側からカテゴライズし直すことが可能であり、それだけでも他事務所とは異なるコンテンツの切り口となることから、反応率を向上させることができることにも気づかれると思います。
- 依頼者(となりうる人)が本当に困っていること、希望していることは何なのか
繰り返しになりますが、これを常に意識して、そこから段階的に具体化したコンテンツを用意することができれば、小さな積み重ねが次第に大きな差を生んでいきます。
訪問者の思いや状況に対してフォローできるか
もしこれまでの文章を読んで、「たったそれだけのこと?」と思われたなら、既に訪問者の立場からの検討を相当に軽視している、重要な要素として扱っていないのではないでしょうか。
訪問者が困っていること、不安に思っていることをフォローできているホームページは、そのぶんだけ、訪問者に「この事務所に頼みたい」という思いを強く抱かせ、そしてこの思いは想像以上に大きいリアクションになります。
そして、逆からの思考を習慣化できれば、士業ホームページの運用に限らず、士業事務所の販促ツール全般で、さらに言えば営業活動全般で効果を発揮します。
どうしても「この業務も、あとあの業務も、ウェブサイトでPRしておかないと仕事にならないかもしれなくて不安!」という、業務の押し売りサイトに傾いてしまいがちなのですが・・・「顧客視点が大事」などと言われるとおり、本当に本当に、回り回って結局これが士業ホームページの活用で一番重要なことだと日々実感しています。
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