訪問者にアクションを起こしてもらうための外見的な改善策その3は、問い合わせの導線について。
ウェブサイトの色味、士業さんのプロフィール写真と手を入れても、肝心のお問い合わせまでの導線が弱いと、当たり前ですが電話やメールなどのアクションを起こしてもらうことは難しくなってしまいます。
そこで、以下のような点を確認しながら問い合わせの導線を確保していくことになります。
1.連絡先の記載箇所は適切か
まず第一に確認したいのは、最終的に起こしてもらいたいアクション(電話やメール問い合わせ)につながる連絡先が、ウェブサイト上の適切な場所に記載されているかという点です。
よくありがちなのですが、連絡先の記載がウェブサイトの右上に1箇所だけとか、それに加えてサイドバーの下部にもう1箇所の2箇所だけとか、設置箇所が少ないウェブサイトです。(事務所案内ページにしか電話番号が載っていないウェブサイトもありますね)
ウェブサイトの訪問者は限られた時間の中で、しかも多数の競合事務所のウェブサイトの中から、「取り急ぎ」であなたの事務所のウェブサイトに訪問しているケースがほとんどです。そのため、訪問者がウェブサイト内のコンテンツを読み進めて「電話しよう」「メールしよう」と思ったとき、手間なく連絡先が確認できないと、それだけで「今は止めておこう」「他の事務所のウェブサイトはどんな感じなのか、見に行ってみよう」とウェブサイト上から離脱してしまう可能性が高まります。
そこで、ウェブサイトの連絡先の記載(バナー等)は、分かりやすいところに適切な数、配置していくことになります。
特に文章が終わった後は、訪問者の側にも問い合わせの気分が高まっている可能性があることから、文章末尾には運営事務所や連絡先などの情報を分かりやすく入れておくほうがよいです。
2.問い合わせバナーや周囲の情報提供は適切か
次に確認したいのは、これは最終的に起こしてもらうべきアクションが電話の場合ですが、問い合わせバナー(電話番号等の連絡先の画像)自体の表記やバナー周囲の情報提供が適切であるかという点です。
営業用のウェブサイトは、情報を一方的に発信するものではなく、ウェブ上でいかに接客・応対できるか、訪問者の不安や悩みを事前に解消できるかが問われます。
問い合わせバナーについても、単に電話番号が記載されていればそれでよいというものではなく、どんな情報を周囲に配置すれば、より安心して電話をかけてもらえるか逐一検討する必要があります。
たとえば、営業日や営業時間がかかれていないと、丁寧な遠慮がちな訪問者ほど「今日は営業していないかもしれない」「もうこの時間だと、営業は終わってしまったかもしれない」と気を遣ってしまうことで、電話まで至りません。
また、近隣に住んでいる人なら市外局番で「近所だ」と判断がつくかもしれませんが、それ以外のウェブ訪問者にとっては、住所表記がないと「この事務所はどこにあるんだろう」「凄く遠隔地に電話しちゃったら嫌だな」とためらってしてしまうことも。
だからといって問い合わせバナーに何でも表記すればいいというわけではありません。スペースとの兼ね合いで情報の取捨選択は必要ですが、「このバナーには何を表現すべきか」ということを、常に意識しながら作っていくと反応率の向上に繋がります。
これは問い合わせバナー自体に限らず、電話バナー付近に配置される文章等にも当てはまります。
3.問い合わせバナー等への流れは自然か
次の確認項目は上記の1と2とも絡むものですが、問い合わせバナーへの「流れ」です。1で触れたように、電話番号等の表記は1つだけあればよいというものではありませんが、だからといって「ウェブサイト上のどこにいても電話番号が分かるようにしよう」と、一段落ごとに問い合わせバナー等を配置するのはやり過ぎです。
競合事務所のウェブサイトが増加した昨今、訪問者の側にも「信頼できる事務所を探そう」「雰囲気の良い事務所を選ぼう」という意識が高まっていますから、あまり「とにかく電話してください!お任せください!」と押しが強いウェブサイトは、それだけで敬遠される要因ともなりかねません。
そして2で触れたように、問い合わせバナーは単に電話番号を告知すればよいのもではなく、接客・応対の一要素として存在することが求められます。そのため、ただバーンと問い合わせバナーを置けばそれで反応率が上がるわけではなく、問い合わせバナーへ繋がる全体的なコンテンツの流れが重要になります。
士業事務所さんのウェブサイトでよくありがちなのは、ある事項について情報提供的な文章が書かれた後、唐突に問い合わせバナーを含む「お困りごとは以下までご相談ください」というコーナーに突入してしまう作りのページです。
「情報を読んでもらって、何か疑問が不安があったら、ページ下部に電話番号が記載されているから連絡するだろう」というのは、士業さん側から訪問者へ勝手にお願いをしているだけで、接客・応対には全くなっていません。
訪問者に対しては、各ページでしっかりフォローを入れていかなければ反応率向上はなかなか望めないはずです。
4.問い合わせフォームの項目数は適切か
もし最終的に起こしてもらいたいアクションがメール問い合わせの場合、問い合わせフォームの項目数は再度確認しておきましょう。
士業さん側からは「これも先に聞いておいたほうがいいかも」「あと、ここも分かったほうが助かる」と、フォームに入力してもらう項目を次から次へと増やしたい心境になりますが、入力する訪問者の側からすると、項目が1つあるごとに「なんだか面倒だ」「そもそも、いま問い合わせる必要があるのか」「他にもっとよい事務所はないか」など、諦めや移り気につながります。
問い合わせフォームの項目は必要最低限にして、問い合わせをもらった後の返信メールや電話で確認すれば済むことは全てカットして、極力少ない情報にすることで、まずはアクションを起こしてもらうことを優先させるようにします。
5.フォームから送信後の流れの予測がつくか
適切な場所へ適切な数、電話番号等の連絡先を配置し、問い合わせバナー等に営業時間等のフォロー要素をしっかりと記載して、その問い合わせバナーへの流れも自然なものに修正、お問い合わせフォームの項目も必要最低限に抑えた。
としても、まだ訪問者は不安を抱く可能性があります。それは電話やメールのアクション自体ではなく、「自分が電話・メールというアクションを起こした後、いったいどうなってしまうのか」という事後の不安です。
実際、ウェブ上からあまり知らないサービスを契約しようとしたり、使ったことのないショッピングサイトから商品を購入するとき
- これって、注文したらその後どうなるんだろう?
- 誰かから電話とかメールが来るのかな?来るとしたらいつ頃来るのかな?
- 料金はいつ払うのかな?すぐ現金を用意しておかなければならないのかな?
- そもそも、ここに頼んで大丈夫だったのかな?
など、何らかの不安を抱かれたこともあるのではないでしょうか。
これらの不安は、アクションを起こしてもらう前にできるだけ解消を図らなければ、反応率の向上に繋がりません。
ウェブサイトの改善は小さなことの積み重ね
以上が、問い合わせの導線回りについての最低限の確認事項です。
ウェブサイトの改善は小さな要素の小さな改善の積み重ねです。1つ1つの改善要素があまりに小さなものと感じられてしまい「それを直したからって、反応が変わるわけ?」と、改善する気力が湧かない士業さんもいらっしゃるかもしれませんが、士業さんのウェブサイトは奇抜なデザインや斬新な趣向で目を引いても意味がありません。
結局は地道な1円貯金でいかに多く貯められるか、競合する事務所ウェブサイトよりも少しでも訪問者の接客・応対が確かであるかで、大きな差が出来てしまうことになります。
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