プロバイダーなどから割り当てられたものではなく、○○.comや○○.netなど、自分の好きなようにウェブサイトの住所やメールアドレス(アットマーク以下)を決められるのが独自ドメインです。
プロバイダーから割り当てられたURLは長いものが多く、名刺などに印刷して仕事で使うにはちょっとわかりにくいことも多いですよね。また、後日に自宅や事務所の場所を転居して、プロバイダーを変えてしまったら……。プロバイダーから割り振られたURLやメールアドレスは、その時点で使えなくなってしまう可能性もあります(毎月少額を払えば使い続けられる場合もあり)。
独自ドメインを取得すると、ウェブサイトもメールアドレスも、かなり短い名称を利用することができるようになります。またプロバイダーとドメインとの間の結びつきが切れるので、プロバイダーを変えてもメールアドレスやウェブサイトのURLを変える必要がありません。
独自ドメイン取得のおおまかな流れ
独自ドメインを取ったことがない人には、ドメイン取得の手順やその後の管理方法などがイメージしにくいようです。でも実際に1つ取ってみれば、意外と簡単だと拍子抜けされるのではないでしょうか。
最初にドメインを取得して使用するときのおおまかな流れは、
- ドメイン管理会社にユーザーとしてのアカウントを作成する
- ドメイン管理会社で希望のドメインを取得する
- 取得の際、初年度(または複数年)の使用料を支払う
- 使いたいサービス(ブログやホームページなど)と結びつける
という4つの手順で進めます。
1番目のドメイン管理会社でのアカウント作成は、最初の1回だけ行えば済みます。2個目の独自ドメイン取得からは、2番目~4番目の手順を進めるだけでOKです。
ドメインを取得といっても、実質は1年契約のレンタル
ところで「独自ドメインを取得」という言葉からは、ドメイン名を買い取って利用するようなイメージを抱かれるかもしれません。
しかし、上記の流れを見ていただくとおわかりのとおり、ドメインというのは実質的には1年契約のレンタル制です。
1年後に料金を支払って更新契約を結ばなければ、その時点でその独自ドメインは使えなくなってしまいます(より正確には、利用者がいなくなったドメインは開放されて、しばらくの後に誰でも取得可能な状態に戻ります)。
独自ドメインの種類
独自ドメインは、.comや.net、.jp、.infoなど利用者が比較的多いものを含めて、かなりの種類があります。最初に取るときは、何にしたらいいか迷われるかもしれませんが、士業さんのウェブサイトであれば、第一候補を.com、第二候補を.netにしておくと無難です。
なぜなら、.comや.netは利用対象が絞られていません(誰でも取得できる)。また年間の使用料も千円程度から提供しているドメイン管理会社もあり、他のドメインと比較すると安価でもあるからです。.jpドメインもわかりやすいのですが、.comや.netと比較して通常3倍程度(といっても年間数千円程度ですが)コストの差があります。
とりわけ.comは「ドットコム」ドメインとして広く普及しているため、誰が聞いてもウェブサイトのドメインであることがわかりやすいのも長所です。
あと1点、ドメインは最初に取得するときの費用(1年目の使用料)と、更新して使うときの費用(2年目以降の使用料)が大幅に異なる場合もあります。激安だからと取得したドメインの種類が、2年目以降は高額だったという事態に陥らないよう、コスト面を検討するときは数年分を比較してください。
使える人が制限されているドメインもある
ドメインによっては、利用対象者が限定されているものもあります。
たとえばよく目にする.co.jpなどは、会社が利用するドメインであるため、営利法人であることが前提になります。そのためドメインを取得してから一定期間内に、履歴事項証明書(商業登記簿謄本)などをドメイン管理会社に提出しなければ、継続使用が認められないこともあります。
or.jpなども、社団法人など法人格を持った団体でなければ、原則、利用することができません。士業事務所を法人化した場合も、このor.jpドメインを取得できるようになりますが、このドメインを使われている士業事務所さんは少ないようです。そもそも、法人事務所さん自体まだ数が少ないのもありますが。
その他に、居住している地域(国)による制限が課せられているドメインなどもあります。
士業事務所で地域名のドメインを取得する際の注意点
.tokyoや.osakaなどは居住地域に制限なく誰でも使えます。また、比較的新しいドメインであることから、希望する名称が取りやすいため、つい使ってしまいたくなると思います。
しかし、士業事務所さんが地域名型のドメインを取得するときは、事務所を別の都道府県に移転する可能性がないか、法人化したとき地域が限られるような印象を与えてしまうデメリットがないか、後日のことをよく検討したほうがよいと思います。
よほど地域密着で、その土地に家も土地もあって以前から士業事務所を経営しているといった状況でなければ、地域名型のドメインは避けておくほうが無難でしょう。
ドメイン管理会社とレンタルサーバー
ドメインを取得・管理するために利用するドメイン管理会社は、かなりの数があります。また、ドメインの取得・管理のみサービスとして行っている業者もあれば、レンタルサーバー(ウェブサイトの情報などを置いておくスペース)のサービスと組み合わせて提供している業者もあります。
ドメインとサーバーを別々の会社で契約するメリット
ドメイン会社とレンタルサーバーを別々の会社で契約する利点は、サーバーを途中で変えやすいことです。
たとえばAというドメイン管理会社を使って、Bというレンタルサーバーのウェブサイトを運営していた人が、レンタルサーバーをCに変えるというとき。Aとの契約はそのままに、CとAを結びつける設定を行うだけでそのまま同じドメインでの運営が可能です。
どれだけサーバーを移転しても、独自ドメインを契約している会社はA社のみとなるため、ドメインを一括管理しやすいメリットもあります。
ドメインとサーバーを同じ会社で契約するメリット
一方、ドメインとサーバーを同一の会社で契約する利点は、サーバーとドメインが同じ会社で管理されることから、料金の支払いやドメインとサーバーを結びつける設定などが、比較的安易に行える点です。
Aというドメイン管理会社と契約し、Bというレンタルサーバーを使う場合、AもBも契約が切れないように注意しておかなければなりません。また、
Aというドメイン会社で取得したドメインと、Bというレンタルサーバーを結びつける作業は、慣れない人にとっては結構わかりにくい部分があることも確かです。
そのため、これから初めてドメインを取得されるケースでは、レンタルサーバー会社の用意するドメイン取得サービスを利用して、1つのサービスで両方カバーしてしまうほうが安心です。
とにかく1つ取得してみよう
最初に独自ドメインを取るときは、ドメインの種類や名称にものすごく悩んでしまう方が多いですね。でも.comや.netなら、1ドメインあたり千円程度しかかかりません。
ここで延々と悩んでようやく取得したドメインでも、実際に使い始めてみたら「しまった、こういう使い方をするなら別のドメイン名のほうがしっくりきた」と後悔してしまう可能性だって十分ありえます。
最初は「ダメだったら取りなおせばいい」くらいに考えて、一度取得して使ってみましょう。
ただし、メールアドレスとして使い始めてしまうと、ドメインを気軽に変えるというのも難しくなります。初めての人は、先に独自ドメインでのウェブサイト構築を進めてみて、問題がないようならメールアドレスを作るという流れがおすすめです。
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