ウェブサイトを公開する前の段階や公開直後の時期は、士業さんにも「よし、これから記事をどんどん追加して、ウェブサイトを育てて依頼につなげるぞ!」という意気込みや、やる気がみなぎっている時期です。でもその後、ウェブサイトを公開してコンテンツ(ページ)を追加しても追加しても、何の反応もなくて訪問者もほとんど増えないとなると・・・。
「ウェブサイトを作っても意味ないのでは」とか「この業務はウェブから受任できないのでは」という悲観的な思いに囚われてしまい、日々の更新意欲も失せ、ウェブ営業自体から撤退することにつながってしまいます。
このパターンに陥ってしまう士業さんは、残念ながら非常に多くいらっしゃいます。なぜ、そうなってしまうのでしょうか。
大きな理由は、まず公開前段階において「どれくらいの意気込みが必要なのかの予測が誤っている」こと、公開後段階においては「必要なコンテンツ追加の目安が分からず目標が立てにくい」こと、つまり「ウェブサイトにコンテンツ増やすの、どんだけがんばればいいの-!?」という判断がつかず闇雲に更新した結果、徒労感だけが強くなってしまうからです。
ウェブサイトを「作る前に」ある程度の目安を知る
この事態を未然に防ぐためには、ウェブサイトを作る前に「最低限追加していく努力が必要そうなコンテンツの量は、おおよそこのくらいだな」という目安を知っておくことです。
ウェブサイト公開前から、制作予定のウェブサイトに用意すべきコンテンツの量がある程度予測できれば、「いつまで追加しなければならないのか」という漠然とした不安を(当面は)ぬぐい去ることができます。
では、どうやったら予め目安を知ることができるのでしょうか。
必要なコンテンツの量を見定める方法ですが、以下3つのステップを踏むと、だいたいの感覚が掴めるはずです。
1.士業事務所のウェブサイトが含まれる割合を把握する
まず、依頼者になる可能性が高い人が検索しそうなキーワードでいくつか検索してみて、検索結果のページを1ページ目から5ページ目くらいまでザッと確認します。
このとき、士業事務所のウェブサイトはどのくらいの割合で存在しているでしょうか。おおよその割合を、「半分くらいだな」とか「1/3程度だな」とか、だいたいのイメージでよいので把握してください。
Googleなどの検索エンジンは、検索結果が偏らないようにあるキーワードで検索したとき表示されるウェブサイトの種類をばらけさせることが多くなっています。そのため、ある一定のキーワードで検索したとき、士業事務所のウェブサイトとしてどれだけのスペースが用意されているのか、だいたいの個数を知っておく必要があります。
たとえば、あるキーワードで検索したとき、その上位を競合士業事務所のウェブサイトが結構な割合で占めているときは、競合が多いものの士業事務所の空きが多く用意されている(逆にいえばそれ以外にはあまり必要とされている重要なウェブサイトがないし、Googleも検索結果をばらけさせる意味に乏しい)状態であるため、そこそこの上位表示までは持って行きやすい可能性があります。
そうではなく、検索結果にたとえば官公庁の情報や企業の発信した情報、あるいは消費者のブログ等、さまざまなウェブサイトの中に士業事務所ウェブサイトがポツポツと含まれるようなときは、気合いを入れてかからないとある程度の上位表示さえ難しい可能性があります。
そもそも士業事務所に割り振られているスペースが少ないという状況に加えて、官公庁や企業のウェブサイトは情報発信の頻度・質ともに高いものが多いです。そのため、そこに割って入るくらいのコンテンツを考えていかなければ、士業事務所ウェブサイトとしてもなかなか検索結果に反映されず、訪問者の増加が期待できません。
2.競合事務所ウェブサイトが何年運営されているかを知る
次に、検索結果で上位表示されている競合事務所ウェブサイトをピックアップして、そのウェブサイトがどれくらいの期間、既に運用されているのかを確認します。
確認方法はいくつかありますが、まずはSEOちぇき!などウェブ上のツールを利用して、ドメインを取得した年月日を確認してみましょう。使い方は簡単で、URL入力欄に競合事務所ウェブサイトのドメインを入力して、「ドメイン取得年月日」の欄を確認するだけです。
「この競合事務所には負けたくない」と思われたウェブサイトは、それだけ普段意識しているということですから、結構前にドメインが取得されているのではないでしょうか。
3.競合事務所ウェブサイトのコンテンツの量を知る
3番目に、競合事務所ウェブサイトのコンテンツがどれくらいあるのか(Googleなどの検索エンジンにしっかり把握されているページ数は何ページか)を確認します。
簡単な方法は、Googleに移動したら競合事務所ウェブサイトのURLの前に「site:」という5文字を追加して検索するだけです。
上の画像で「約177件」とあるのが、Googleが把握している(検索結果に載せるかもしれない)そのウェブサイトのページ数の目安です。
このページ数にはカテゴリー一覧ページや記事のアーカイブページなど、本来のページ以外も含まれますが、競合事務所ウェブサイトがどれくらいの規模で運営されているのか、だいたいの感覚が掴めます。
どうでしょう、上位表示されている競合事務所は、意外とGoogleに把握されているページ数が多いのではないでしょうか。
ドメイン年齢で逆転できないぶん質と量で打ち勝つ
競合事務所は何年前にドメインを取得していて(これを「ドメイン年齢」「ドメインエイジ」と呼ぶことがあります)、Googleに何ページあるウェブサイトだと判断されている(これを「インデックス数」と呼ぶことがあります)でしょうか。
これをウェブサイト制作・公開前に把握しておくと、「結構がんばったけど、反応なくて意味なかった」の事態を未然に防ぐことができます。競合があまりに充実しすぎていて、その場で「これは無理!」と、やる気をなくさなければですが・・・。それはそれで、無駄な努力をせずに済みますね。潔く引き下がるなら。
ドメイン年齢のほうは、後追いでいくらがんばっても逆転することは不可能です。
となると、あとはページ数(量)、そして1ページごとのページ内容(まさにコンテンツの質!)で圧倒していくしかありません。そしてたとえページ数が競合事務所ウェブサイトを少し超えたとしても、ドメイン年齢が大幅に劣っているなら、それは「追いついた」ことにはなりません。
「結構がんばった」が自分の思い込みでしかなかった!?
もし競合が5年運営していて100ページある状況で、「公開して半年、がんばってウェブサイトに30ページ追加したけど何の反応もなかった(ToT)」というような感想を抱いてしまったら。そもそも求められている意気込みの程度が、全然足りなかったということでしかありません。
仮に5年運営している競合事務所のウェブサイトに1年で追いついたとしても、6年運営してウェブ上に浸透・信頼も勝ち取っている事務所と1年しか運営していない事務所の対決となるため、コンテンツの質・量が同じに至ったとしても互角ではないのです。
闇雲なページ追加だけは避けよう
ということで、今回のまとめ。ウェブサイトの公開を計画する前にある程度の規模感を把握しておく、そして公開後のモチベーション維持のために、ドメイン年齢とインデックス数の把握は行っておく。そうすれば、どれくらいの意気込みを持ってウェブサイトに向き合うべきか判断しやすくなります。
もっとも、ページの追加はウェブサイトを充実させていく上で重要ですが、だからといって競合事務所に追いつけ追い越せでページを増やすこと自体が目的になってしまうと、歪なウェブサイトが出来上がってしまいます。
そうなると、数値上では競合ウェブサイトに打ち勝ったとしても、結局は訪問者の反応がなかったり、訪問者が依頼前提の客層ではなかったりで本末転倒になってしまいます。
この点は要注意なので、Search Consoleなどを拠りどころにして、方向を見失わないように更新していきましょう。
いまはページ数よりも、1つのページで提供されている情報の量やユニークさ(単なるコピペではなく、そのウェブサイト独自の情報であるか)が重要視される傾向が強まっています。
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